Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
「なに。呉の国が使節をもって、朕に表を捧げてきたとか」
大魏皇帝曹丕は、にやりと笑ってその表をざっと読んだ。
近頃、閑暇に富んでいるとみえ、曹丕は、使者の趙咨に謁見を与えた後、なおいろいろなことを訊ねた。半ばからかい半分に、半ば呉の人物や内情を、談笑のうちに探ろうとするような、口吻だった。
「使節に問うが、汝の主人孫権は、ひと口にいうと、どんな人物か」
趙咨は鼻のひしげた小男であったが、毅然として、
「聡明仁智勇略のお方です」
と答え、それから臆面もなく、曹丕を正視して、眼をぱちぱちさせながら、
「陛下、何をくすくすお笑い遊ばしますか」と、反問した。
「されば、朕は笑うまいとするに苦しむ。なぜなれば、自分の主君というものは、そんなにも過大に見えるかと思うたからだ」
「これは心外な仰せを」
「なぜ心外か」
「てまえにすれば、陛下の御前なので、甚だ遠慮して申し上げたつもりなのです。遠慮なくそのわけを述べよと仰っしゃって下されば、陛下がお笑い遊ばさないようにお話しできると思います」
「申してみよ、存分に、孫権の豪さを」
「呉の大才魯粛を凡人の中から抜いたのは、その聡です。