Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
と、初めてこのことを、帝劉禅の奏聞に入れて、万端のそなえを打ち明け、最後に、
「ただ、ここに問題は、何といっても、呉のうごきでありましょう」
と、彼はここにいたると、眸をつよめ、語気をあらためて、要するに全対策の主眼は、一に呉にあるものであるという胸中の確信を、その容子にあらわして云った。
「臣、はかるに、呉は魏が軍勢を催促しても、従来の感情、国交の阻隔などからも、決して軽々しく、その命に従うものではありますまい。……ただここに、ひとつの危険を予想されるのは、蜀境四路の戦況が、魏の有利にうごいて、蜀の敗れが見えた場合のみです。歴然、それと見えたときは、呉も雷同して、潮の如く、峡口から攻め入ってくるでしょう。けれど蜀の守りが不壊鉄壁と見えるあいだは、呉はうごきません。魏の下風に立つものではありません。……で今、私が思案中のものは、この際の重大な使命をおびて、その呉へ使いにゆく人物です。誰がよいか、その人を、しきりに求めているところですが……さて?」
四
孔明とともに、深苑の一堂に入られたまま、時経っても、帝のおもどりがないので、門外に佇立して、待ちくたびれていた侍従以下の供人たちは、