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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

この年の早春。

曹丕は群臣をつれ狩猟に出た。

一頭の女鹿を見出し、曹丕の一矢が、よくその逸走を射止めた。

母の鹿が、射斃されると、その子鹿は、横っ跳びに逃げて曹叡の乗っている馬腹の下へ小さくなって隠れた。曹丕は、声をあげて、

「曹叡、なぜ射ぬ。いやなぜ剣で突かぬか。子鹿はおまえの馬の下にいるのに」

と、弓を揮って、歯がゆがった。

すると、曹叡は、涙をふくんで、

「いま父君が、鹿の母を射給うたのさえ、胸がいたんでいましたのに、何でその子鹿を殺せましょう」

と、弓を投げ捨てて、おいおい泣き出してしまった。

「ああ、この子は、仁徳の主となろう」

と、曹丕は、むしろ歓んで、彼を斉公に封じた。

その夏五月。

ふと傷寒を病んで、曹丕は長逝した。まだ年四十という若さであった。

二

生前の慈しみと、その遺詔に依って、太子曹叡は次の大魏皇帝と仰がれることになった。

これは嘉福殿の約によるものである。嘉福殿の約とは、曹丕が危篤に瀕した際、三人の重臣を枕頭に招いて、

「幼くこそあれ、わが子曹叡こそは、仁英の質、よく大魏の統を継ぐものと思う。汝ら、心を協せて、これを佐け、朕が心に背くなかれ」