Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
と、する者やまた、
「やむを得ず彼の侵略を防ぐためならばともかく、魏もいまは曹丕が歿して、幼い曹叡が立ち、国外と事を構えるのを好んでもいない際に、こちらから出師するというのはその意を得ぬ」
と、するような消極論は、後主劉禅をめぐって、かなり顕著であった。
それらの人々の第一に懸念するところは、兵員の不足であり、また戦争遂行に要する財源の捻出だった。蜀中の戸籍簿によって、蜀、魏、呉の戸数を比較して見ると、蜀は魏の三分の一、呉の半数しかないのである。
さらに、人口の密度から見れば、魏の五分の一強、呉の三分の一ぐらいな人間しか住んでいない。以て、蜀の開発とその地勢とが、いかに守るにはよいが、文化には遅れがちであるか分るし、しかも常備の帯甲将士の数に至っては、魏や呉などの中原を擁する二国家とは較ぶべくもない貧弱さである。
加うるに、後主劉禅は、登位以来すでに四年、二十一歳にもなっているが、必ずしも名君とはいわれないものがあった。父帝玄徳のような大才はなかったし、何よりも艱難を知らずに育てられてきている。
「これらの条件をつまびらかにせぬ丞相でもあるまいに――いかなる思し召でかくの如き大軍事をいま決行せられようとするのであろうか」