Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
追われ、日光を山越えして足尾に逃げ込み、養蚕の手伝いなどしていたこともあり、若い時は気が荒かったというので均平も少し気味悪がっていたけれど、苦労をさせたことを忘れないので銀子のことは銀子の好きなようにさせ、娘を操って自身の栄耀を図ろうなどの目論見は少しもなかった。酒も呑まず賭事にも手を出さず、十二三歳の時から、馬で赤城へ薪を採りに行ったりして、馬を手懐けつけていたので、馬に不思議な愛着があり、競馬馬も飼い、競馬場にも顔がきいていた。
均平はその後も、前科八犯という悪質の桂庵にかかり、銀子の後見として解決に乗り出し、千住辺へ出かけた時とか、または堀切の菖蒲、亀井戸の藤などを見て、彼女が幼時を過ごしたという江東方面を、ぶらぶら歩いたついでに、彼女の家へ立ち寄ったこともあり、母親の人となりをもだんだん知るようになった。
汽車で清水隧道を越え、山の深い越後へ入って幾時間か行ったところに、織物で聞こえた町に近く彼女の故郷があり、村の大半以上を占める一巻という種族の一つから血を享けているのだったが、交通の便もなく、明治以来の文化にも縁のないこの山村では、出るものとては百合とかチュリップとか西瓜くらいのもので、水田というものもきわめてまれであった。