Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
十四
「今日が一番苦しい。きっと死ぬんだわ。」
その日彼女は昼間からそれを口にしていたが、夜になると一層苦痛が加わり、八時九時と店の時計が鳴るにつれて、医者の来るのが待たれた。
「先生が東京駅へついた時分よ。」
彼女は苛立って来たが、もう駄目だとわかりにわかに銀子に逢いたくなり、父に哀願した。
「お妹さんが御臨終です。逢いたがっていらっしゃいますから。」
看護婦はそう言って、そっと銀子を抱き起こし、一人は両脇から上半身を抱え、一人は脚を支えてそろそろ段梯子を降り、病床近くへつれて来たが、時子は苦しい呼吸の下から、姉の助かったことを悦び、今まで世話になった礼を言い、後のことをくれぐれ頼んで、銀子を泣かせるのだった。
じきに最後の呼吸ががくりと咽喉に鳴り、咽ぶように絶えてしまい、医師の駈けつけた時分には、死者の枕を北に直し、銀子も自分の寝床にかえっていた。
二階の病人を動かしたことで、看護婦はさんざん叱られたが、銀子の病気もそれからまた少し後退した。
十四
狭い二階の東向きの部屋で、銀子は五箇月もの間寝たきりだったが、六月になってから、少しずつ起きあがる練習をしてみたらばと医師も言うので、床のうえに起き直ろうとしたが、初めは硬直したような腕の自由は利かず、徒らに頭ばかり重いので、前にって肩を突き、いかに大病であったかを