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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

庸三は日和下駄を突っかけて門を出たが、祝福の意味で二人を劇場近くにある鳥料理へ案内した。しかし二人の結婚が決裂するのに三月とはかからなかった。庸三はその夏築地小劇場で二人に出逢った。額に前髪のかぶさった彼女の顔も窶れていたし、無造作な浴衣の着流しでもあったので、すぐには気がつかなかった。しかし廊下で彼に微笑みかけるようにしている彼女の顔が、何か際どく目に立たない嬌羞を帯びていて、どこかで見たことのある人のように思えてならなかった。――やがて三人でお茶を呑むことになったのだったが、葉子のこのごろが、生活と愛に痛めつけられているものだということは、想像できなくはなかった。

ある日庸三が、鎌倉の友人を訪問して来ると、その留守に珍らしく葉子がやって来たことを知った。

「何ですか大変困っているようでしたよ。山路さんとのなかが巧く行かないような口振りでしたよ。ぜひ逢ってお話ししたいと言って……。後でもう一度来るといっていましたから、来たらよく聴いておあげなさいよ。」

加世子は言っていたが、しかしそれきりだった。

庸三はその後一二度田舎から感傷的な彼女の手紙も受け取ったが、忘れるともなしにいつか忘れた時分にひょっこり彼女がやって来た。