Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
二
」
「よほど悪いのかしら。」
「さあ。」
「いずれにしても、加世子さんからそう言って来たのなら、行ってあげなきゃ……何なら私も行くわ。中央線は往ったことがないから、往ってみたいわ。」
「それでもいいね。」
「貴方がいやなら諏訪あたりで待っててもいいわ。」
「それでもいいし、君も商売があるから、一人で行ってもいい。」
「そう。」
銀子にはこの親子の感情は不可解に思えた。三村家で二人を引き取り、不安なく暮らしている以上、その上の複雑な愛情とが憎悪とかいうようなむずかしい人情は、無駄だとさえ思えた。彼女はまだ若かった父や母に猫の子のように育てられて来た。銀子の素直で素朴な親への愛情は、均平にも羨ましいほどだった。
二
汽車が新緑の憂鬱な武蔵野を離れて、ようやく明るい山岳地帯へ差しかかって来るにつれて、頭脳が爽やかになり、自然に渇えていた均平の目を愉しましめたが、銀子も煩わしい商売をしばし離れて、幾月ぶりかで自分に還った感じであった。少女たちの特殊な道場にも似た、あの狭いところにうようよしている子供たちの一人々々の特徴を呑み込み、万事要領よくやって行くのも並大抵世話の焼けることではなかった。