Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
となると、それは何といっても酷い運命であった。
「咲子ちゃん、葉子さんの写真を枕の下へ入れているんですのよ。」
姉が庸三に話した。枕頭へ行って見るとその通りであった。葉子は瑠美子の母で、もう今までのようにお前を愛していることはできないのだ――庸三はそれを言い聴かすこともできなくて、ただ受動的に怺えているよりほかなかった。この子供と一緒に死ぬのも救いの一つの手だという気もした。
そこへ葉子の手紙だった。そして幾枚もの色紙に書かれた手紙と一緒に、咲子への贈りものの綺麗な色紙もどっさり入っていた。それを病床へ届けてから、彼は子供と二人で幾枚かの切手のべたべた貼られた封筒の消印を透かして見た。
「スタムプは猿楽町の局ですよ。」
「ふむ――じゃ神田だ。しかし神田も広いから。」
「ひょっとしたら、一色さんが知ってやしないかな。」
彼はまさかと思った。一色が知っているような気もしたが、黙って引き退っている一色を、年効もなく踏みつけにしていることを考えると、そう思いたくはなかった。葉子がどういうふうに一色を言いくるめたのか――それにも触れたくはなかった。彼は強いても一色を見向かないことにしていたが、一色が蔭で嗤っているようにも思えた。