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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

葉子の好きな言葉のない映画よりも、長いあいだ見つけて来た歌舞伎の鑑賞癖が、まだ彼の躰にしみついていた。暗くて陰気くさい映画館には昵めなかった。

小夜子は帳場へ出て、電話で座席があるかないかを聞きあわせた。

「二階桟敷でしたら、五つ目がありますの。

「結構。」

「私支度しますから、先生もお宅へ着物を取りにおやんなすっては。」

「そうね。」

その通りにして部屋で待っていると、女中がやって来て、

「何を着て行っていいか、お神さんが先生に来て見て下さいって。」

「そう。」

庸三が行ってみると、箪笥の抽斗と扉がいくつも開いていて、そこに敷いた青蓙のうえにも外にも、長襦袢や単衣や帯が、花が散りしいたように取り散らかされていた。

「あまり派手じゃいけないでしょう。」

「そうね。あまり目立たない方がいいよ。」

結局何かの雨絣に、黒の地紋の羽織ということになった。顔もいつものこってりしない程度で、何かきりりと締りの好い、愛らしい形がそこに出来あがった。彼女は流行さえ気にしなければ、一生着るだけの衣裳に事欠かないほどのものを持っていた。丸帯だけでも長さ一間幅四尺もある金庫に一杯あった。