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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

桜豆腐、鳥山葵、それに茶碗のようなものが、食卓のうえに並べられた。黒の縮緬の羽織を着て来た清楚な小夜子の姿は、何か薄寒そうでもあったが、彼女はほんのちっとばかし箸をつけただけであった。

咲子は人も場所も、何か勝手がちがったようで、嬉しそうでもなかったが、始終にこにこしていた。

「いつかクルベーさんと、何かのはずみで、急に日光へ行くことになって、上野駅へ来たのはよかったけれど、紙入れを忘れて来てしまったんですのよ。時間はないし、仕方がないから私がこの家へ来て事情を話すと、黙って三百円立て替えてくれたことがありましたっけ。」

そんな話も出たりして、帰りに三人で夜店の出ている広小路をあるいた。小夜子は子供の手を引いていたが、そうして歩くにも、何か人目を憚るらしいふうにも見えるのであった。

ふと葉子の話が出た。

「僕もつくづくいやになった。止そうと思う。」

「止しておしまいなさい。」

「あと君が引き請ける?」

頼りなさそうな声で、

「引き請けます。」

今、庸三は別にそれを当てにしているわけではなかったけれど、葉子と別れるには、そうした遊び相手のできた今が時機だという気もしていたので、葉子を迎えに行くのを怠けようとして、そのまま蚊帳のなかへ入って、疲れた体を横たえた。