Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
すると廊下を一つ隔だてた、同じ水に臨んだ小室の方で、やがて小夜子がお愛相笑いしていると思ったが、しばらくすると再び庸三たちの方へ戻って来た時には、ビイルでも呑んだものらしく、目の縁がやや紅くなっていた。庸三はこのごろ仲間の人たちで、ここを気のおけない遊び場所にしている人も相当多いことを考えていたので、隣りの客がもしかするとその組ではないかと思ったが、小夜子に聞いてみると、それは最近ちょくちょく一人でそっとやって来る、近所の医者だことが解った。彼も風変りなこのマダムのファンの一人で、庸三もある機会にちょっと診てもらったこともあって、それ以来ここでも一度顔が合った。不思議なことには、それが女学校を出たての葉子がしばらく身を寄せていたという彼女の親類の一人であった。葉子が人形町あたりの勝手をよく知っていて、わざわざ伊達巻など買いに来たのも理由のないことではなかった。そしてそう思ってみると、ぴんと口髯の上へ跳ねたこのドクトルの、型で押し出したような顔のどこかに、梢家の血統らしい面影も見脱せないのであった。がっちりしたその寸詰りの体躯にも、どこか可笑しみがあって、ダンスも巧かった。