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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

」

庸三も疳にさわったが、黙っていた。

「女が病院へでも入ってる場合には、男ってものはたまにお金くらい持って来るものよ。」

「金が必要だというんだね。」

「決まってるじゃないの。」

葉子があまり刺々しい口を利くので、負け目を感じていた庸三は、神経にぴりっと来た。

ちょうどそのころ彼女は、彼女の態度に失望して帰って行った秋本から、長い手紙を受け取っていた。今まで気儘にふるまっていた、彼女の月々の生活費の仕送りも、事によると途絶えるかも知れないのであった。彼女は気を腐らしていた。そこへ何も知らない庸三が初めて友達と一緒に現われた。鬱憤が爆発してしまった。

庸三は二度と彼女を見舞わない腹で、棄て白をのこして病室を出た。彼は手術当時の彼女の態度にすっかり厭気が差していた。彼女を憎んでもいた。

「あいつは何か始終たくらんでいる女なんだ。」

庸三は途々山村に話した。

「うむ、そうだ。ちょっと剣があるんだ。」

二三日してから、庸三はそれでも印税の前借りの札束を懐ろにして、再び病室を訪れた。彼はほかのことはともあれ、別れた場合金のことで葉子側の人たちからかれこれ非難されることを恐れた。