Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
それにもし書く場合があるとしたら……彼はそこまで考えていた。表面葉子は八方から非難の矢を浴びせられていたとは言え、非難する人たちのなかにも、葉子に関心をもつものの少なくないことも庸三に解っていた。
厚ぼったい束が、彼の懐ろから葉子の手に渡された。彼女はべらべらとそれをめくっていたが、二十枚も取ると、剰余をそっくり庸三に返した。
「すみません。」
「どうしまして。」
庸三は病院中の噂になることを恐れていたし、また何か初まっていそうに思えたので、じきに病室を出た。
葉子が退院して来たのは、手術の日から四十日も経ってからであった。もう二月の初めだったが、その間に彼女の二番目の女の子が感冒にかかって、肺炎になり損い、それがやっとのことで癒ったかと思うと、今度は庸三の家で咲子が病床に就いていた。
庸三はその後も二度ばかり、夜になってから病室を見舞ったのであったが、二度とも好い印象を受けなかった。一度は師匠にあずけてある瑠美子の春着を作るために、デパアトの外廻りの店員を呼び寄せて、派手な友禅ものを、部屋一杯にひろげていたし、一度はベッドの上から手拍子を取って、いつもの童謡を謳いながら、瑠美子を踊らせていた。