Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
庸三は小夜子に報告した。密会や何かのことに、いろいろな場合の体験ももっているに違いない小夜子であった。
彼女はちょうど風呂から上がって、お化粧をすまして帳場に坐っていた。
「あの方どうしてそんなことなさるんでしょうね。先生というものがありながら。」
小夜子は帳場に立てかけた鏡のなかに見惚れながら言った。
「先生を好きなんでしょう。」
「まあ……たまにはね。」
「いつからですの? 何とも言い置きもなさらないんですの。」
「昨夜かららしいね。」
そして博士のことを話すと、小夜子はにわかに興味を持ち出して来た。
「じゃあ秘密探偵に頼んでみたらどうです。」
小夜子にもちょっと悪戯者らしいところがあった。
「そうね。」
庸三は憂鬱になったが、こういう場合一つ掘り下げはじめると、際限なく下へ下へと掘り下げてしまって、どうにも足悶きのないのが、彼の性癖であった。そしてその刺戟と苦しみを彼にはだんだん享楽するように慣らされてしまうのだった。
「先生これから日本橋のI探偵社に行ってみません?」
「君も行く?」
「え。でも、ちょっと電話をかけてみましょう。」
小夜子は卓上電話の受話機を取った。