Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
じきに夜になった。庸三は外へ出る興味もなく、風呂へ入ってから、照明のほのぼのした食堂へ入って行った。洋楽のレコオドがかかっていて、外人が四五人そっちこっちのテイブルに散らばっていた。
アメリカ帰りのマスタアが、ここにこのホテルを建てた当初から現在に至るまで、およそ十年余りのあいだ、ここに滞在している仏蘭西人の異ったプロフェッサが一人いることは、いつか初めて葉子をつれて、日本座敷に泊まっていた時、マネイジャ格の老ボオイから聞いた話だったが、庸三はそれがどんな男か、それらしい老紳士の姿を、廊下でもサルンでも一度も見たことはなかった。彼は部屋を決める時、半永久的に床を自分の趣味で張りかえ、壁紙や窓帷も取りかえて、建築の基本的なものに触れない程度で、住み心地の好いように造作を造りかえた。
生活もすこぶる厳格なもので、夜分に外出するということもほとんどなく、外で食事をするようなこともめったに聞かなかった。学校が休みになると彼は毎年行くことにしている、長崎のお寺で一夏を過ごすのも長年の習慣であった。彼は庸三と大抵同じくらいの年輩らしかった。
庸三は葡萄酒を一杯ついでもらって、侘しそうにちびちび口にしながら、ほんの輪廓の一部しか解っていないその外人の生活を、何かと煩累の多い自身に引き較べて思いやっていた。