Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
、ふっと入口のドアの叩く音などが聞こえると、それが葉子であるかのように神経が覚めるのだった。
何時ごろであったろうか、病人のように慵い神経が、ふと電話のベルに飛びあがった。りんりんと続けさまに鳴ったが、ボオイたちもすっかり寝込んでいると見えて、誰も出て行くものがなかった。宿泊人はいずれも朝の勤めの早いサラリーマンなので、こんな遅くに電話のかかって来るはずもなかった。庸三は多分葉子だろうという気がして、よほどベッドを降りようかと思ったが、意識がぼんやりしていたので、それも億劫であった。するうち彼はまたうとうとと眠ってしまった。
翌日庸三はそこを引き揚げて、しばらくぶりで書斎へ帰って来た。からりと悪夢からさめたような感じでもあったが、頭脳のそこにこびり着いた滓は容易に取れなかった。そして机の前に坐っていると、不眠つづきの躯のひどく困憊していることも解った。彼は近所の渡瀬ドクトルに来てもらって、躯を診てもらった。ドクトルは彼のこのごろの生活をよく知っていたが、ずっと第二号と暮らしていたので、いつもよりシリアスな態度で聴診器を執ってくれた。
「まあ神経衰弱でしょうね。