Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
エルマンを聴いて、今まで甘酸っぱいような厭味を感じていた提琴の音のよさがわかり、ジムバリスト、ハイフェツなどのおのおのの弾き方の相違が感づけるくらいの、それが古い東洋式の鑑賞癖でしかなかったにしても、この年になって、やっと汗みずくで取り組みつつある恋愛学から見れば、まだしも地についていると言ってもよかった。家庭での庸三夫婦と子供との新しい旧い趣味のひところの衝突も、もうなくなっていた。上野の音楽学校で演奏された、ベエトヴェンの第九シムフォニイを聴きに行った庸太郎を、ちょうど何かの用事の都合で、夫婦で広小路まで出かけて行ったついでに、動物園の附近で、待ちあわせていたことがあったが、ちょうど演奏の了わる時刻だったので、やがて制服姿の彼が肩をすぼめながら、おそろしい厳粛な表情で、傍目もふらずとっとと二人の前を行きすぎようとしたことがあったが、それももう古い過去となってしまった。
このデネションの前に、それは去年のことだったが、同じアメリカの舞踊団がやって来て、その時も庸三は庸太郎に前売切符を買わせて、座席を三人並べて観たものだったが、新調のシャルムウズの羽織などを着込んだ葉子が一番奥の座席で、隣りが庸太郎、それから庸三という順序で、オーケストラ・ボックス間近に陣取っていた。