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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

葉子はデパアトから買って来た、コーヒ沸しのレトルトをもっていて、しきりにコーヒを沸かした。それは清川を監督している例の先輩が、独逸から沢山買って来て、床下に投っておいたというのは昔のことで、今はデパアトにも出ているのであった。葉子の本箱のなかには、別にハムやコオンビイフ、林檎、オレンジなどの食料品があり、もうだんだん寒くなって来たので、朝おきると顔も洗わずに、瓦斯ストオブをたきながら、軽い食事を取るのだったが、創作に悩んで来ると、庸三が邪魔になることもあった。それにアパアトを管理している薬局の主人は、どうかすると部屋を見に来る人に、四階に葉子のいることを、宣伝の役に立てようとしたりするので、庸三も裏口から出入りするようにしていたが、こちこち硬い階段を上りおりするのも相当骨が折れ、やっと部屋まで辿り着いたと思うと、鍵がかかっていたりした。彼女の行くのは、大抵シネマ・パレスか南明座あたりで、筆が渋ると映画に救いを求めに行くのだったが、部屋をあけるのは、そのためばかりとも決められないようなものであった。

庸三も、彼女が思っているほど葉子の文学にそう大して関心をもっているわけでもなかった。