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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

「小菊さんですか。小菊さんなら昨日新橋で一人でぼんやりしていたと言うわ。」

「一人で……。」

「そうらしいのよ。」

いやなことが耳に入ったと、松島は思ったが、どうにもならず、約束の昨日というのと一人というのが面白くなく、その晩は家へ帰って寝た。

間一日おいて、松島は小菊に逢い、連れが多勢で、決してお楽しみなどの筋ではなく、客も突然の思いつきで、誰某さんに強いられて往きは往ったが、日帰りのつもりがつい二タ晩になったりして、一人先へ帰るわけにいかず、何も商売だと思って附き合っていたと、小菊もお茶を濁そうとしたが、松島はそれでは納まらず、何かとこだわりをつけたがるのであった。

「じゃあ今度話してあげるわ。」

小菊はその場を逃げた。

間もなく松島は、房州時代からの馴染の客が一人あることを知った。それは松島と目と鼻の間の駒込に、古くから大きな店を構えている石屋で、二月か三月に一度くらい、船で観音参詣に来て、そのたびに人目につかぬ裏道にある鰻屋などで彼女を呼び、帰りには小遣をおいて行った。そこはこの土地にしては、建物も庭も風流にできており、荒れたところに寂があった。