Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
陸遜は壮語して、孫権や重傷者は船中にのこし、その余の残兵にこれを守らせておき、新手の十万をすべて岸へ上げて、呉のために死せよと命令した。
まず、曹操は、この新手の堅陣が射る確かな矢風に射立てられ、
「こはそも如何に」
形勢の悪化に、狼狽せざるを得なかった。
「敵はみだれ出したぞ」
陸遜は、彼の怯み立った一刹那、総突撃を敢行した。果然、十万の兵は、背を見せる魏兵へ咬みついた。突く、蹴る、刺す、撲る、踏みつぶす、折重なる、組み合ったまま水へ溺れる。
何しても、その兵数において、その新手の精気において、陸遜軍は圧倒的にすぐれていた。打ち取った首だけでも七百余級、雑兵に至ってはかぞえるにもかぞえきれない。分捕りの馬匹だけでも千余頭あった。
かくて陸遜は、魏の勢を遠く追って、完全なる呉の勝利を取りかえしたばかりでなく、きょう孫権が大敗した戦場まで行って、味方の死体や旗やおびただしい陣具まできれいに収容して来た。
その結果、部下の陳武は討たれ、董襲は水中に溺れ、そのほか日頃の寵臣も無数に亡き数に入ったのを知って、孫権は声をあげて哭き、
「せめて、董襲の死骸なりともさがし求めよ」