Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
やがて※(「業+おおざと」、第3水準1-92-83)都の魏王宮に着いた。温州柑子が届いたと聞いて、曹操は久しくその甘味を忘れていたので、歓んで早速、大いなる一箇を盆から取って割った。ところが、柑子の実は空だった。怪しみながら三つ四つ取って裂いてみたが、どれもみな殻ばかりで空しい。
「呉の奉行を質してみろ。これは何故かと」
奉行は調べられてもただ慄くばかりで、その何故かを知らなかった。ただ思い当ることとして、途中、左慈という奇異な老人に出会ったことを語った。曹操は聞いて、
「はてな?」と、首を傾けている。同郷の友といえば少年時代のことだ。あまりに渺として思い出すに骨が折れるらしい。
ところへ、王宮の門へ、
「大王にお目にかかりたい」
といってきた一老人があるという。召し入れて見れば、その左慈だった。曹操は、彼を見るや否や、柑子の科を責めた。すると、左慈は一、二本しかない前歯を出して笑いながら、
「そんな筈はない。どれどれ」
と、自身で柑子を取って割ってみせた。芳香の高い果肉は彼の掌から甘い雫をこぼした。
三
「大王。まあこの柑子を一つ、召上がってごらんなさい。