Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
何か、例を聞いていないか」
「たくさん聞いております」
許芝は、語りだした。
「――まず、素姓からいうならば、管輅、字を公明といい、平原の人です。容貌は醜く、風采はあがらず、酒をのみ、性疎狂なりと申しますから、ほかに取柄はない人間ですが、ただ幼にして、神童の聞えがありました」
「神童。――神童に、長じてまで神童だった者はないぞ」
「ところがです。管輅は、今もって、その名を辱めません。――八、九歳の頃から天文が好きで、夜も星を見ては考え、風を聞いては按じ、ちと気ちがいじみていたので、両親が心配して、そんなことばかりしていて一体おまえは何になる気か、といったところ、管輅は言下に、
――家鶏野鵠モオノズカラ時ヲ知リ風雨ヲ知リ天変ヲ覚ル。イカニ況ンヤ人タルモノヲヤ。豈、天文グライヲ知ラナイデ人間トイエマスカ。
そう答えたそうです。また長ずるに及んでは、周易を究め、十五、すでに四方の学者もかなわなかったということです」
「そんなのは、世間、いくらもあるじゃないか。学究というものだ。しかもこの学究、案外、学究のほかではつかいものにならん」
「いや、管輅は左に非ずで、早くから天下を周遊し、日に百冊の古書を読んで、日に千語の新言を吐くという人です」