Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
わっわっと、後ろから黒い人影が追ってくる。彼の部下なのだ。しかし彼はそれすら、敵ではないかと、生きたそらもないらしい。
郊外にある夏侯惇の陣地まで急を告げに行くつもりだったろう。ところが、道を間違えて、彼方此方、馳けまわるうち、肩の痍からあふれ出る血しおに、眩暈をおぼえて、また馬を捨ててしまった。
「そうだ、金※(「ころもへん+韋」、第3水準1-91-80)の邸は、たしかにこの辺……。金※(「ころもへん+韋」、第3水準1-91-80)の家で痍の手当をして行こう」
蹌踉と訪ねあてて、あわただしく、門を叩いた。
すると、邸のうちには、門番もいなければ、奴僕もいないらしい。程なく答えがあって、奥のほうから、燭の光がうごいてきた。金※(「ころもへん+韋」、第3水準1-91-80)の妻が自身そこを開けに近づいてくるようだった。
金※(「ころもへん+韋」、第3水準1-91-80)の妻は、心のうちで、門を叩いているのは、良人が帰ってきたものとのみ思っていたのである。近づいて、扉の閂を内側からはずしながら、
「オオ。お帰り遊ばせ。今すぐに開けまする。……王必は首尾よくお討ち取りになりましたか」