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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

以前、荊州へ使いしたときも苦い思いをなめたが、こんどもまた、麦城に入って、関羽を説くのに、心のうちでは、どんなに辛い気がしたか知れなかった。

「玄徳とは若い頃に桃園で義兄弟の義をむすび、弟の孔明もつねに尊敬しておかないほどな将軍である。どんな好餌や甘言をもって説いたところで、あの人が節を変えて呉へ降るなどということはありえない」と、会わないうちから分りきっていたからである。

だが、一縷の望みは、

「麦城の運命はもう知れている。糧もない、兵力もない、後方の援けもない、飢餓に迫っている部下五百を救うために、或いは、人情もろい関羽のことだから、遂に降伏する気になるかもしれぬ」

ということだけであった。

けれどこれも諸葛瑾の空想だけにとどまっていた。毅然たる関羽の前に、彼はそんな使者に立って行ったことすら恥かしく思わずにいられなかった。何を説いても一笑に付せられたのみか、関羽の養子には剣をもって脅かされ、いわゆるほうほうの態で追い返されるの憂き目をあえて見てしまった。

「……惜しい。実に惜しい人物だ」

それでも彼はしみじみ独りつぶやいて帰った。

呉侯孫権は、寄手の本陣に、待ちわび顔であったが、瑾の帰りを見ると、