Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
そして曹丕の旗艦以下、魏の全艦隊が、いまや淮河の隘路から長江へと出てくる気配を見たので、一夜に沿岸全部の偽装をかなぐり捨て、敢然、決戦態勢を示したものである。
「彼にこの信念と用意がある以上、いかなる謀があるやも測り難い」と、曹丕はにわかに下知して、淮水の港へ引っ返そうとしたところ、運悪くせまい河口の洲に旗艦を乗りあげてしまったため、日暮れまでその曳きおろしに混乱していた。
ようやく、船底が洲を離れたと思うと、今度は昨夜以上の烈風が吹き出してきて、諸船はみな虚空に飛揺し、波は船楼を砕き人を翻倒し、何しろ物凄い夜となってきた。
「危ない危ない。また乗しあげるぞ」
暗黒の中に戒め合いながら、疾風にもまれていたが、そのうちに船と船とは衝突するし、舵を砕かれ、帆檣を折られ、暴れ荒ぶ天地の咆哮の中に、群船はまったく動きを失ってしまった。
曹丕は船に暈って、重病人のように船房の中に臥していた。それを文聘が背に負って、小舟に飛び移り、辛くも淮河のふところをなしている一商港に上陸った。
船暈は土を踏むとすぐ忘れたように癒る。ここには魏の陸上本営があるので、そこへ入ったときはもう平常の曹丕らしい元気だった。