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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

北門の外十里まで見送った。

すでにして三軍は、成都の市街を離れて、郊外へさしかかったが、郊外へ出ればここにも田園の百姓老幼が、箪食壺漿して、王師の行をねぎらった。

村々の道ばた、野や田の畔にも、彼らは土に坐って、孔明の四輪車へ拝をなした。村娘は兵のために黍の甘水を汲み、媼は蓬の餅を作って将に献じた。

孔明はしみじみ眺めた。

「ここには何の後顧の憂いもない」――と。

×     ×     ×

魏は大きな衝動を不意にうけた。蜀の出師は国を傾けてくるの概ありと知ったからである。加うるに孔明の名は、いまや魏にとっても、聞くだに戦慄の生じるものであった。

「たれかよく彼を防ぐや」

魏帝曹叡は、群臣に問うた。満堂の魏臣しばし声もない。

ときに一名、ねがわくは臣これに当らん、と進んで起った者がある。諸人の眼はそれへそそがれて、

「おお、夏侯淵の子なるか」

と、眼をあらたにした。

安西鎮東将軍兼尚書※(「馬+付」、第4水準2-92-84)馬都尉、夏侯楙、字は子休。

彼の父は、武祖曹操の功臣で、漢中の戦に死んでいる。いま蜀軍のさして来るところも漢中である。怨みあるその戦場において、父の魂魄をなぐさめ、国に報ずるは、子の勤めなりと、彼は今いうのであった。