Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
「いよいよ目的地へはいりましたね」
「ちょっとの油断も出来ませんね」
「水戸の鷺衆がいるのですからね」
ひそひそこんなことを囁き出した。
「ナーニ大丈夫だよ、鷺衆なんか」嘲笑うように云ったのは、頭領と覚しい例の美人、「島津の烏組に歯が立つものか」
「それはそうともお紋様」こう云ったのは左側の一人、「でも鷺衆のお絹という女は、手利きだということでございますね」
「そうさ、妾とはいい相手さ。妾の腕とお絹さんの腕、さあどっちが利くだろうかね」頭領お紋の言葉である。
「面白い勝負でございますね」こう云ったのは右側の一人、「でもお前様の勝ちでしょうよ」
「どんなことをしても勝たなければならない。せっかくの使命が果たされないからね」頭領お紋の言葉である。
この女達何者であろう? とまれ薩州島津家の、烏組という団体で、その頭領をお紋といい、何か重大な使命を帯びて、名古屋へ入り込んだということと、その名古屋には常州水戸の、鷺衆という団体が、お絹という女を頭領にして、入り込んでいるということだけは、彼女らの会話で知ることが出来る。
いったいどんな使命だろう?
御器所村の一所、今日公園のある辺り、鬱々たる森林が立っていたが、そこまで一行がやって来た時、森の奥所から声がした。