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Japanische Klassiker mit Furigana

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にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme

Aozora Bunko

頭のお絹を遠巻きに、警護していた鷺組の徒が、答えて笛を吹いたのである。

しばらくの間は森の中、鳥笛の音で充たされた。

やがて一時に静かになり、森を出て行くお絹の足音、シタシタと町の方へ遠ざかり、全く物音消えた時、一本の立ち木の根もとから、囁く声が聞こえて来た。

「紅丸紅丸、面白かったなあ」薬草道人の声である。

「ガーガーガー、コーコーコー、烏と鷺の啼き合わせ、ほんとに面白うございました」童子紅丸の声である。

「御岳にいるより面白いよ。だがひどく騒がしいなあ」

「ほんとに騒がしゅうございます」

「町には騒がしくていられまい、こう思って私は名古屋へ来ると、この森を住居にしたんだが、どうもここにもいられそうもない。……ボツボツどこかへ出かけようかな」

「それがよろしゅうございます」

「さあさあそれでは出かけよう、猪十郎さんや、車をお曳き」

轍の音が森に響き、次第次第に町の方へ行く。町へはいったが深夜のこと、家々では雨戸を厳重にとざし、燈火一筋もれていない。レキ、レキ、ロク、ロクの轍の音、両側の家々へ反響するが、古今の名医薬草道人が、通っているとは気が付かないらしい。