Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
これすなわち一目惚れである。
「父が若い頃お仕えした、水府お館中納言様、そのご家来の山影様、今度大事なご用を持って、当地へおいで遊ばされた、むさくるしいにもお構いなく、当分ここへご滞在くださる。お前も気を付けてご介抱するよう」
こう云って紹介された時、パッと浜路が顔を赫めたのは、恋が、一目惚れが、掠めたのである。
女色に淡い宗三郎ではあったが、浜路だけはひどく気に入ったらしい。
「ふうん、こいつは驚いたな。痩せて蒼白くてナヨナヨしている、都会の女とは事変り、何んて素晴らしい体格なんだ。巴御前や、山吹御前、勇婦を産んだ木曽だけに、いまだにこんな娘がいる。悪くないな、俺は好きだ」
「ははあお娘ごの浜路殿で、拙者は山影宗三郎今後ご懇意にお願い致す」サックリとした竹を割ったような気象、言葉なぞもゾンザイで、時には皮肉も云い警句も云い、洒落さえ云いかねない宗三郎であったが、初対面ではあり相手は娘、しかも気に入った娘である、少しばかり固くなり、ぎごちない調子で話しかけた。
「はい、妾こそ、どうぞよろしく……あの田舎者で……不束者で……」浜路ロクロク物さえ云えない。
「そこでな、浜路」