Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
「おや偉そうに何を云うんだよ、小袖なんて聞いて呆れるよ、夏冬通して五年がところ、着通した小袖ってあるものか、小袖でなくてありゃあ襤褸さ」
「おやおや大きく出ましたね、ああ襤褸さ、襤褸でもいいよ、何んだいお前んのは雑巾じゃあないか! 襤褸をお返しよ、さあお返し!」
「草履片っぽ返しゃあがれ!」
「雑巾女め、襤褸を返せ!」
「襤褸女め、草履を返せ!」
「襤褸だよ!」「草履だよ!」
「襤褸だよ!」「草履だよ!」
そいつを止める声がする。
「何んだよ、お前達、みっともないじゃあないか、ボロだよ草履だよ、ボロだよ草履だよ、屑屋とデイデイ屋とが軒を並べたようだ」
すると喧嘩がそっちへ移る。
「黙っておいでよ、止める柄かい! 妾に八公を寝取られたくせに!」
「おやおや、それじゃあ、お前だね、大事な八さんを取ったのは、道理で八さんこの頃中、水臭くなったと思ったよ! ワーッ、ワーッ」と泣き出したらしい。
いったいここはどこなんだろう? 山稼ぎの私娼団、すなわち六文の巣窟である。
お仙、えらい所へ迷い込んでしまった。
「こんな所へ泊まるより、野宿の方がよさそうだ」
逃げ出した時小刻みに、近寄って来る足音がした。