Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
「アノそれでは道人様に、何かご用でもおありなさるので?」
「はいさようでございますとも、道人様にお縋りし、江戸表までお供する、これが妾達の願いなので、それで今日までもこのお家に」
「それに致しても見張らずとも……」
「名聞嫌いの道人様、お城をご出立なさるにも、いずれ窃り人知れず、朝か夜分かそんな時刻に、お出ましになるに相違ないと、それで裏門へは妾の父が、そうして表門へは山影様が……」
よいことを聞いたと思ったが、八重梅顔へは現わさなかった。「そう致しますと今夜なども、遅くお帰りでございましょうねえ」
「遅くお帰りでございましょう。だから寂しゅうございます」
日がだんだん暮れて来た。夜になるのも間があるまい。「痛、痛、痛!」と荻野八重梅、またも横っ腹を抑え出した。
塀の内外二人の女
「痛、痛、痛!」と八重梅め、またも横ッ腹を抑え出したが、「いえもう癒ってしまいました」ケロリとしたような顔をした。だが心では考えている。「さてこれから何を訊こう? うん、まだまだ二つばかりある」そこで探りを入れ出した。「妾をご介抱くださいました、お仙様とかいうお店にいるお方、ほんとによい方でございますねえ」