Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme

Aozora Bunko

と云うと方向を変え、木立の方へ手を上げた。「さあさあ捕っておしまいよ!」

声に応じて現われたのは、真っ黒に塗られた二挺のトヤ駕籠、ドンと地上へ置かれると、ガラッと扉がひらかれた。争う暇も何んにもない。スーッとばかりに浜路とお仙、トヤ駕籠の中へ吸い込まれた。「さあおやりよ、急いで海へ!」叫んだは烏組のお紋である。ポンと上がった駕籠二挺、そいつを真ん丸に引っ包み、烏組の連中走って行く。空は真っ赤だ、火事は盛ん! それの下辺を黒々と、駕籠も人影も見えなくなった。後に残ったは荻野八重梅。「何んだか後口が悪いねえ」呟いてしょんぼり佇んだ時、一個の人影が亡霊のように、フラフラとこっちへ彷徨って来た。

「おや」と八重梅驚いたらしい、常夜燈の蔭へ身を隠したが、現われたのは阪東薪十郎。

またも逢った「恋」と「怨み」

フラフラとやって来た阪東薪十郎、杖を突っ張ると佇んだ。

「火事だというが俺にゃア見えねえ」

それでも空を振り仰いだ。

「七ツ寺だということだが、昔の俺なら大好きな火事、何を措いても飛んで行き、弥次馬根性をさらけ出すんだがなあ。眼が見えなくちゃア仕方がねえ」ここでグッタリ、頸垂れた。