Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
「俺は泥棒をしようとした! お前のためだ、恋しいお前の! 俺は人間を一人殺した! ああ阪東薪十郎! 誰のためだ? お前のためだ! 女のために侍が殺人をして盗みをする! この恋心、信じられぬか!」またソロソロと血刀を、上へ上へと上げて行く。「これ何んと云った、荻野八重梅! 『妾の身分と巧らみと、知って愛想が尽きたなら別れましょう』と申したな! そこに心の隙間がある! こうまで苦しんだこの俺を、汝はまだまだ疑ぐっているか! 疑がえばこそ出た言葉だ! その疑心のある以上、一緒に住んでもゆくゆくは、おおかた俺を裏切るだろう! 解る、解る、きっと裏切る! 初から俺を裏切って、つづけて俺を裏切って、そうしてゆくゆく裏切ろうとするか! ……それがお前か? それがお前か! おおおおそういう女と知っても、この俺には思い切れぬ! ……死か悟りか? 土壇場だ! 道人様!」と眼を閉じた。
「あなたはお偉うございました! き※(「足へん+宛」、第3水準1-92-36)いたそのあげく……」
ピリピリと血刀を波うたせた。常夜燈が光をぶっかけた。
「死を選びますでございます」
颯と刀を振り下した。