Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
するとこの時林の前を、萩原の方へ行く者がある。他でもない酒場の浜路。と行手から婆さんが来た。口やかましやのお榧である。
「おやおやこれはお嬢様、もうお帰りでごぜえますか、まあよろしいじゃごぜえませんか、あの萩原までめえりましてな、茶を一つまみ買って来ました。お茶を入れますだあ、お茶を入れますだあ」
「有難う」と云ったが酒場の浜路、微笑を含んだものである。「いいえそれには及びません、この次ご馳走になりましょう、彦兵衛小父さんによろしくね。さようなら」と行ってしまった。
「ふんとに綺麗なお嬢様だねえ、それになかなか愛嬌があるよ」見送って呟くお榧の前へ、ヒョイと現れたのは伊集院である。
「ご新造さん、ご新造さん」猫なで声で呼びかけた。
「ヒャッ」と云うと振り返ったが、「何かご用でごぜえますかな?」胡散臭そうに伊集院を見る。
「失礼ながらお前さんは、彦兵衛さんのお神さんで?」
「へえ、さようでごぜえます。それでは何か彦兵衛が、悪いことでも致しましたので? それならご勘弁願えますだ、根はいい人間でごぜえますが、神様狂人でごぜえましてな、それに俺とは反対に、どうもひどく口やかましくて……」