Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
「ヨーシ」というと四人の山窩、例によって叫びを上げながら、山の斜面を突っ走った。
これ山窩の伝令法、瞬く間に山塞まで、非常の知らせが達するだろう。
この頃お六は野の道を、萩原の方へ走っていた。
「大変だヨー、来ておくれヨー、山影様が殺されるヨーッ」
ほこりを蹴立て、小鬼のように、途方もない速力で走って行く。
この日浜路は酒場にいた。道人を探しに宗三郎と一緒に、七面岩へ行こうとしたところ、足手纒いでご迷惑であろうと、父に止められて果たさなかったのが、内心不平でならなかった。で、酒場の客を相手に、自由な話術を試みていた。
そこへ戸外から聞こえて来たのが、「大変だヨーッ」という声であった。
「六ちゃんじゃアないか、どうしたんだろう?」
ちょっと聞き耳を引き立てた。
「山影さんが殺されるヨーッ、みんなみんな来ておくれヨーッ」
「え!」と浜路立ち上がった。
飛び込んで来たつんぼのお六、やにわに浜路に飛び付くと、「妾の袖を引っ張った、いやらしい野郎が螢ヶ丘の裾で、山影さんと切り合っているヨーッ、姉さん姉さん浜路姉さん、早く早く早くおいでヨーッ」
歓楽の酒場が一瞬にして、混乱の庭と変ったのは、まさに当然というべきだろう。