Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
……どこかに水はないかしら? 谷へ行こう、谷川へ。そうして水を汲んで来よう。あッ、しまった、汲むものがない! あったあった手拭いが! これへたっぷり湿して来て、キューッと口へ注ぎ込んであげよう。……そうすると宗さん眼をあけて、お仙、命の恩人だぞよ、江戸へ帰って夫婦になろう! きっとおっしゃるに相違ない! ……水! 水! 水! 谷川谷川……! でも何だか心配だわねえ。妾の行ったその留守に、誰かさらって行くかもしれない! あッ山窩! あッ狼! 食われてしまう、食われてしまう! 駄目駄目駄目、駄目だわよ。……やっぱりそうだ背負って行こう。……」そこでお仙宗三郎を背負った。「おお重いおお重い、恋の重荷を肩にかけ、嬉しいわねえ、重い方がいいわ」
二三間歩いたその時であった、丘の方からカバカバと、蹄の音が聞こえて来た。つづいて血走った女の声、
「山影様! 山影様! 浜路でございます!」
浜路、探しに来たらしい。
「どこにおいででございます! 浜路さがしに参りました! 山影様! 山影様!」
サ――ッと丘から駆け下りて来た。
驚いたのはお仙である。丈のびた草間へ身を隠し、じっと様子をうかがった。