Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
乳母車に載せて、公園を歩いていたとか。彼女はそれを銀子に望んでいるわけでもなく、むしろいくらか軽蔑の意味で話しているのだったが、浮かびあがった親の身の上は、羨ましくなくもなかった。
父はルムペンかと思うような身装も平気だが、母は軟らかい羽織でも引っかけ、印台の金の指環など指に箝めて、お詣りでもして歩きたいふうで、家の暮しも小楽らしく何かと取り繕い、芸者をしている娘から仕送ってもらっていることなどは、叭にも出さなかった。
やがて妹たちもめいめいの立場から、姉の身のうえを恥じ、学校でも勤め先でも、秘し隠しに隠さなくてはならないであろう。
銀子は胸に滞っている当面の問題については、何にも話ができず、責任がまた一つ殖えでもしたような感じで、母のお喋べりにまかれて家を出た。
藤本へ還ったのは、もう日の暮方近くで、芸者衆はようやく玄関わきの六畳で、鏡の前に肌ぬぎになりお化粧をしていた。彼女たちの気分も近頃目立ってだらけていた。銀子のことを、そっちこっち吹聴して歩いたり、こそこそ朋輩を突ついたり、銀子の手に余るので、どうせ一度は抱えの入替えもしなければと、親爺も言っているのだった。