Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
親爺は十畳で酒を呑んでいた。
「お前どこへ行ってた。」
「家へ行ったんだわ。」
「行くなら行くと言って行けばいい。お前お父さんに何か話しだろ。」
「別に何にも。」
「もっとこっちへおいで。」
銀子は廊下の処に跪んでいたが、内へ入って坐った。
「それじゃ何しに行ったんだ。」
「お父さんがぶらぶらしてると言うから、ちょっと行ってみたの。」
「どうせ己も一度話に行こうとは思っているんだが、どういうふうにしたらいいと、お前は思う。」
「そうね。私にも解んないわ。お父さん仕事ができないで困っているの。それに赤ん坊が産まれたでしょう。私も事によったら、しばらく家へ帰っていようかと思ったんだけれど……それよりも、いっそ新規に出てみようかと、汽車のなかで考えて来たの。」
芸者に口がかかり、箱が動きだしたので、話はそれきりになり、銀子は台所へ出て、自分の食事の仕度をした。彼女はわざと抱えと一つの食卓に坐ることにしていたが、芸者たちの居ない時は、親爺の酌をしながら、一緒に食べることもあった。抱えに悪智慧をつける婆やも、もういなくなり、銀子は仕込みをつかって、台所をしているのだったが、大抵のことは親爺が自身でやり、シャツ一枚になって、風呂場の掃除もするのだった。