Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
「まあ、こっちへ来たまえ。飯でも食いながらゆっくり話そう。」
五十年輩の瀬尾博士は、禿げかかった広い額をてかてかさせていたが、どうしたのか、銀子から目をそらすようにしていた。栗栖は、しばらくするとちょっと腕時計を見て、
「それじゃ僕はちょいと行って来ます。今日は謡の稽古日なのでね。お銀ちゃんもごゆっくり。」
と銀子にも言葉をかけて出て行った。
「何ですの、お話というの。」
銀子はフォークも取らずに訊いてみたが、博士に切り出されてみると、それはやはりあの問題で、博士はこの結婚に自分も賛成であったことを述べてから、
「はなはだしいのは君に赤ん坊があるなんて、途方もないデマも飛んでいるくらいだが、そんなことはどうでもいいとして、一つ真実のことを私にだけ言ってもらえないかね。よしんばそういう事実があるとしても、それは君の境遇から来た過失で、君の意志ではあるまいから深く咎めるには当たらないのだが、しかし事実は一応明らかにして、取るべき処置を講じなければならないんだ。」
銀子は自身の愚かさ弱さから、このごろだんだんディレムマの深い係蹄に締めつけられて来たことに気がつき、やはり私は馬鹿な女なのかしらと、自分を頼りなく思っていた。