Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
、何となし気が重かった。
二日ほどすると、親たちの意嚮をも確かめるために、桂庵が請地の家を訪れ、暮の餅にも事欠いていた親たちに、さっそく手附として百円だけ渡し、正月を控えていることなので、七草過ぎにでもなったら、主人が出向いて来るように、手紙を出すことに決めて帰って行った。
銀子が出向いてきた主人夫婦につれられて上野を立ったのは十日ごろであった。父はその金は一銭も無駄にはせず、きっと一軒店をもつからと銀子に約束し、権利金や品物の仕入れの金も見積もって、算盤を弾いていたが、内輪に見ても一杯一杯であり、銀子自身には何もつかなかった。
「お前も寂しいだろ、当座の小遣少しやろうか。」
「いいわよ。私行きさえすればどうにかなるわ。」
しかし父親は上野まで見送り、二十円ばかり銀子にもたせた。
二等客車のなかに、銀子は主人夫婦と並んでかけていた。主人は小柄の精悍な体つきで太い金鎖など帯に絡ませ、色の黒い顔に、陰険そうな目が光っており、銀子は桂庵の家で初めて見た時から、受けた印象はよくなかった。お神は横浜産で、十四五までの仕込み時代をそこに過ごし、I―町へ来て根を卸したのだった。