Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
われたりしたが、不断親しく往来をしている、看護婦の小谷さんとか、内箱の婆やなどの土地言葉には、日常的な細かい点ではどうしても意味の取れないところもありがちで、解ったふりで応答しているよりほかなかった。
看護婦の恋愛には別に進展もなく、現実の生活に追われがちなその日その日を送り、学生が帰ってしまえばしまったで、いつとはなし音信も途絶えてしまった。彼女は俸給のほとんど全部を親に取りあげられ、半衿一つ白粉一壜買うにも並々ならぬ苦心があり、いつも身綺麗にしている芸者の身の上が羨ましくなり、縹緻もまんざらでないところから、時々そんな気持になることもあった。
「傍で見るほど私たちも楽じゃないのよ。私だって親や妹たちのために、こんな遠い処まで来て、借金で体を縛られ、いやなお客の機嫌も取って、月々家へ仕送りもしているのよ。」
銀子は倉持に言われ、退院後のこの夏二月ばかり仕送りを滞らせたところ、父親がさっそくやって来て、結局旅費や土産なぞに余分な金を使ったのが落ちであった。父は大洋の新鮮な鰹や気仙沼の餅々した烏賊に舌鼓をうち、たらふく御馳走になって帰って行ったのだったが、ここで食べた鰹の味はいつまでも忘れることができないであろう。