Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
医院が院長の隠居仕事なので、看護婦の体も閑で、彼女の部屋はだだっぴろい家族の住居から離れたところにあり、銀子が買って往くケーキなどを摘まんで本の話や身のうえ話をするのだったが、銀子の汚れものなぞも洗ってくれた。大河まで持ち出して行って、バケツで水を汲みあげるのが面倒くさく、じかに流れで濯いだりして、襦袢や浴衣を流したりしていた銀子も、それを重宝がりお礼に金を余分に包んだり、半衿や袖口などを買ってやったりしていた。吝々するのは芸者の禁物であり、辛気くさい洗濯や針仕事は忙しい妓には無理でもあり、小さい時から家庭を離れている銀子は、見ず知らずのこの土地へ来てからは、一度汚したものは大抵古新聞に包んで河へ流すことにしているのだった。
田舎の芸者屋では、抱えの客筋であると否とにかかわらず、最寄りの若い男の出入りすることを、都会のようにはいやがりもしないので、分寿々廼家でも、写真屋や罐詰屋、銀子たちが顔を剃りに行く床屋の若い衆や、小間物屋に三味線屋がよく集まった。土地の人の気風は銀子にもよく判らなかったが、表面の愛らしい言葉つきの感じなどと違って、性質は鈍重であり、しんねりした押しの強さが、東京育ちの銀子にずうずうしくさえ思えるのだった。