Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
」
「あら、そうですか。」
そしてお神は近所へ遊びに行っている銀子を呼びにやり、銀子が上がって来たところで、「ちょっと」と奥へつれて行き、
「あんた住替えですて?」
「何だかいやになったのよ。」
「無理もないと思うけれど。こっちは寝耳に水でね。もしお父さんにお金の入用なことがあるなら、何とか相談してもいいんですよ。それともこれじゃ働きにくいから、こういうふうにして欲しいとか何とかいうのでしたら、聴いてあげてもいいんですがね。せっかく馴染んだのに、あんた少し気が早すぎやしない?」
「すみません。別に理由はないんです。でもお父さんも来たもんですから。」
「じゃやっぱりあのことね。何もそんなに気にすることもないと思うがね。」
桂庵は今度の上りに間に合うようにとしきりに時計を気にしていたが、お神も思い切り、簿記台を開けて、しばらく帳面を調べていた。
やがて金と引換えに、証書を受け取り、東京からもって来た鏡台や三つ抽斗、下駄や傘なども一つに纏めて、行李と一緒に父がすばしこく荷造りをすますと、物の四十分もたたないうちに銀子たち三人は車で駅に駈けつけ、送って来た本家と分寿々廼家のお神と愛子に名残を惜しむ間もなく、汽車はI―町を離れ、銀子も何となし目が潤んで来た。