Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
「今ここへ来ている。事情は新聞で知ったことと思う。時機を待つことにする。」
こご田近くへ来た時、例の森のなかの白壁が遙かに汽車の中から見え、銀子はふと二日ほど前に新婚旅行先の飯坂温泉から来た、倉持の絵葉書が想い出され、胸先の痛くなるのを感じたが、あの物哀しい狭い土地から足をぬいたことは、何といっても気持がよかった。
錦糸堀の家へついたのは、夜の十一時であったが、一年ぶりで帰って来る姉の着くのが待遠しく、妹たちは二階で寝てしまったのもあり、店先へ出て車がつくかと目を見張っているのもあり、銀子が父のあとから土間へ入って行くと、東京を立つ時にはまだ這い出しもしなかった末の妹が、黒い顔に例のどんよりした目をして、飾り棚の後ろからよちよち歩き出し、不思議そうに銀子を眺めていた。
「お前何か急にあしこがいやになった訳でもあるのかい。」
お神が窓から投りこんでくれたお菓子を妹たちに頒け、自分は卯の花漬の気仙沼の烏賊をさいて、父と茶漬を食べている銀子に、母が訊くのであった。
「ううん、何ということなしいやになったの。」
「結婚してくれるという人はどうしたい。」
「あれはあれぎりさ。