Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
看護婦や宿直の若い医員だちを呼び集めて、陽気に騒いでいるのだったが、葉子は長い袖を牀まで垂らして、熔けるような声で謳っていた。
庸三はどこでもそんなふうにしなければ治まらないらしい彼女を、苦々しく思わないわけに行かなかったが、それを言う日になれば、能弁な彼女の弁解も聴かなければならなかった。
しかし退院して来てからの葉子には、そんな浮わついた気分はまるで無くなっていた。それに痍もまだ充分ではなかった。
「当分通わなきゃならないのよ。」
彼女は畳や木の香の高い彼の部屋へ、そっとやって来て、そんなことを言っていた。
「結核じゃないか。」
「それも幾らかあるらしいわ。沃度剤も買わせられたの。」
そしてその後で、葉子は病院で受け取った秋本の手紙を帯の間から出して、
「せっかく行ったのに、予期に反して、私が飛びついてもくれなかったといって怒っているの。今まで月々送ったお金の計算もしてあるの。もうすっかり人生がいやになったから、これから漂浪の旅に上る、というようなことも書いてある。」
そう言って長さ四五尺もある手紙を繰り拡げて見せた。庸三はちょっと手に取って見た。熱情の溢れたような文字が、彼の目に痛く刺さるので、ろくに読む気にもなれなかった。