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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

若い記者たちと銀座でお茶を呑んで来ることもあれば、晩飯の御馳走になることもあった。

「今日は××さんに御飯御馳走になって、和泉式部の話聞いて来たわ。」

葉子は聞いて来たことを、また庸三に話して聞かせるのだったが、書きはじめた時分から、ちょいちょい原稿のことで訪れて来た若い記者は、今でも時々やって来た。葉子は締切りが迫って来ると、下宿の部屋からも姿を消して、近くにある静かな旅館の一室に立て籠もることもあったが、ある時などは、どこを捜しても見つからないこともあった。庸三は気の許せないような彼女が、今はどんなに懐いて愛し合っているように見えていても、いつどこへ逃げて行くかわからないという不安は絶えずもっていた。

「東京というところは、居つけてみればみるほど広いのね。もしも先生がふと姿を消すようなことがあるとしても、とても捜し出せやしないでしょうね。」

葉子はいつかそんなことを口にしていたが、それは自分が逃げる時のことを考えてのことなのはもちろんであったが、一度失敗もしているので、この年取った男にかかっては、迂濶なこともできないとかねがね用心しているに違いなかった。