Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
そして何か事件の起こるかも知れない時の自身の取るべき態度をも、その瞬間ちょっと想像してみたりした。
「何か食べに行かない?」
庸三は言い出した。
「私みつ豆食べたい。食べましょう。」
やがて三人繋がって外へ出た。
すると温かい宵のこと、再び葉子が下宿から姿を消した。
出て行くその姿を、電車通りの角のフルウツ・パアラにいる長男の庸太郎がちらりと見た。
「どうもそうらしいんだ。黒い羽織を着て雨傘を差して、手に包みか何かもっているらしかった。原稿書きに行ったんかもしれない。」
彼は話した。
そのちょっと前に、今いつもの婦人雑誌記者と、自動車をおりて葉子が例の旅館へ入って行くところを、ふと通りがかりに見たといって、庸太郎がそれとなく報告するので、わざとしばらく近よらないようにしていた庸三が行ってみると、もうその時はその若い記者も帰ったあとで、葉子は夕刊を見ながらオレンジを食べていた。そして庸三の入って来るのを看て、好い顔をしなかった。
庸三の詰問に対する葉子の答えでは、彼女は記者をさそって、行きつけの支那料理屋で、晩飯を御馳走しただけだというのだった。記者が葉子の讃美者であるだけに、庸三はちょっと疑念をもった。