Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
「だってああいう人たちには、私などはたまにそういうことをしておく必要があるのよ。私原稿料の前借だってしているのよ。」
庸三はそれもそうかと思って、口を噤んでしまったのだが、その晩もちょっとその辺を散歩するつもりで、二人で旅館を出ると、わざと大通りを避けて区劃整理後すっかり様子のかわった新花町あたりの新しい町を歩いた。そして天神の裏坂下から、広小路近くのお馴染の菓子屋が出している、汁粉屋へも入ってみた。よく彼の書斎に現われる、英文学に精しい青年の兄の経営している、ちょっと風がわりの店であった。
そしてそうやって歩いていると、いつかまた別れる潮を見失って、彼は葉子の部屋で一夜を明かすのであった。
庸太郎と今一人、最近の英文学に興味をもっているその青年H――と一緒に、庸三の全集刊行の運動をしようとか何とか言って、葉子がまだ近所に一軒世帯をもちたての時分、いきなり訪問して来て以来、まるで内輪の人のようになって、今は何かに不自由がちな庸三の家政上のことに働いてくれる青年K――も、ちょうど庸三の部屋へ来ていて、少し顔色をかえながら下宿と旅館へ葉子を捜しに行ったのだったが、どこにも見えなかった。