Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
そこから庸三は座敷へあがった。
「こんな遅くにやって来て失敬。」
庸三はどかりと坐って、部屋を見まわしたが、別にかわったこともなかった。園田が今までそこらにいたらしい形迹もなかった。湯殿と物置きと台所口へ通じる廊下があるとしても、そこまで考える必要はなかった。
葉子はどこか面窶れがしていたが、裏が廊下になっている、ちょうど縁側と反対の壁ぎわに延べられた寝床の枕元近くのところで、庸三を警戒するもののように離れて坐っていた。
「どうしたんだ。」
「いずれある時機に御相談しようとは思っていたことなんですけれど。」
「それで……。」
「先生にいつかお話ししましたかしら、メイ・ハルミのこと。」
「いや聞かない。」
「そうお。じゃあこれはごく内証よ。お書きになったり何かしちゃ駄目よ。あの人たちの名誉に係ることですから。」
「話してごらん、大丈夫だから。」
「ハルミさん一昨年の夏とかに、避暑かたがた軽井沢へ美容院の出張店を出していたのよ。そこへおばさんおばさんと言っちゃ、懐いて来る一人の慶応ボオイがあったんですって。するとあの人も、商売がああいうふうに発展すれば発展したで、無論やり手の旦那さまのリイドの仕方も巧いんでしょうけれど、それだけにまた内部に苦しいこともあるものらしいので、ついその青年に殉ずる気持になって、結婚しようと思ったん